2005年12月15日

さよなら、吉牛・・・

 僕にとって、牛丼と言えば吉野屋だった。基本的に牛丼しかメニューに無いという潔さや、ちょっと場末の寂しい雰囲気が好きだったし、学生時代の徹夜のバイト明けにお世話になったB定(納豆定食)も思い出深い。

 アメリカでBSE(牛海綿状脳症)に感染した牛が発見され、アメリカ産、カナダ産牛肉の輸入が禁止されて2年。これはチェーン店から牛丼が姿を消した2年だったわけだが、この12月に内閣府食品安全委員会(委員長・寺田雅昭国立がんセンター総長)は、プリオン専門調査会(座長・吉川泰弘東大教授)での審議の結果として、生後20ヶ月以下の牛で、脳などの特定危険部位を取り除くという条件が守られれば国産牛肉とのBSEに対するリスクの差は小さいとして、検査無しで輸入を認めるという答申を出した。

「生後20ヶ月以下の牛に限って検査無しで輸入してもBSEのリスク非常に低い、とプリオン専門調査会」asahi.com(2005年10月5日)
「食品安全委員会、危険部位を取り除くなどの輸出条件が守られれば国産牛とのリスクの差は非常に小さいと厚生労働省と農林水産省に答申」毎日新聞(2005年12月8日)

 しかしながら、毎日新聞の記事にあるように、国民から募集した意見の5割強は反対だった。また、牛肉輸入再開に当たっては、露骨なアメリカ政府からの外圧、日本が輸入再開しなければ対日制裁も辞さないというアメリカ議会、アメリカも日本産牛肉の輸入を禁止している事実等々、あまりにきな臭い。ブッシュ大統領も牧場主だったはず。

 ということで、9月の衆議院選挙の与党大勝以来、与党に懐疑的な僕としては、この輸入再開に至る流れも懐疑的に見ざるを得ない。

 という状況下で吉牛なのだが、吉野屋はアメリカに牛肉供給を頼っていたために、輸入禁止されて牛丼がすっかり店頭から姿を消した。したがって、ファミレス業界とともに誰よりも輸入再開を待ち望んでいるわけで、吉野屋のwebサイトに行ってみれば、トップページに「米国産牛肉全面的早期輸入再開を求める会」のバナーが張ってある。それから、「吉野屋の考える「安全」と「安心」について」というページでの中で「特定危険部位を除去した30ヶ月齢以下の牛は安全」とPRしている。

 まあ、確かに、BSE検査性とか、リスク管理(確率で物事の危なさを判断する)の観点からはそうなのだろう。でも、アメリカで、そういう牛であることが確実に担保されるのかどうか?

 同じ牛丼チェーンのすき家では、自分たちで調査団をアメリカに送って、「日本の国民の皆様に、消費者に「安心して食べて下さい」と言える段階ではない(リンク先はpdf)」という認識を持つに至っている。

 皮肉な見方をすれば、すき家のメニューは牛丼以外にも豊富だからアメリカ産牛肉の輸入が再開されなくも困る度合いは吉野屋よりは低いだろうし、逆に吉野屋の客を奪うチャンスのためにも輸入牛肉は危険というコトを言っていると取れなくもない。しかし、全く嘘でたらめのプレスリリースをすることは無いだろうし、アメリカの検査、管理の杜撰さは真実か否かは不明にしても漏れ聞こえてくるところがあり、前述の与党が信用できない=アメリカ政府を信用できない僕としては、すき家の認識に頷いてしまうものである。

 だから、アメリカ産牛肉の輸入が再開されれば、もはや吉牛に行くこともない、だろう。さよなら、吉牛。牛丼が食べられるようになったら行かなくなる、というのも皮肉なモノだ。

 輸入牛肉というと肉の塊だけを思い浮かべがちだが、加工製品も対象になっていたのだろうか?良く知らないのだが、某チェーンでフライドポテトを揚げる油、カップラーメンなどの牛肉エキスなんかも、輸入禁止されていたのが解禁になる、ということなのだろうか。そういうことであるのなら、消費者が取捨選択できないレベルで使われる牛肉製品があるという点で深刻かもしれない。

 輸入果物のポストハーベスト、中国野菜の農薬漬け、食材のゴミで作った日本向けの韓国産餃子などの話を引くまでもなく、食べ物は日本の人が日本で作った(獲った)モノが良い、というのが僕の基本的な考えでもあり、できるだけそうしたい、と思う。

 で、上で一部リンクを張っている「きっこのブログ」だが、強度偽装事件で知って以来、ちょくちょく拝読している。こういう反コイズミ系サイトはよく見るのだが、衆院選挙前によく見た賛コイズミ系のサイトは、最近あまり見ない気がする・・・。
posted by おだまさ at 01:34| Comment(2) | TrackBack(0) | 気になるコト文系 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
アメリカ産牛肉の安全性に不安を感じる消費者としては、
自分で可能な限りアメリカ産を避ける以外に仕方がない
訳ですね。
アメリカの横暴と政府の弱腰、吉野家やすき家の思惑に
惑わされず、牛肉を選ぼう
。。。って、我が家の限界は、豚肉でした。
輸入牛って言っても、高くって。
・・・けど、豚もアメリカ産は多いんだよね。
なんかしゃくだなあ。


Posted by yasuwan at 2005年12月16日 01:41
>yasuwanさん
こういうエントリを挙げておきながら、輸入禁止する前から危険はあったのかもしれないし、BSEのリスクと他の食品添加物のリスクを比べればどうか、という話もあるように思うので、あまりエキセントリックな反応も、どうかな、とは思うのです。
だから、そういう意味よりも、野菜にしろ、肉にしろ、日本の農家の方が作ったモノを食べたい、という思いが強いです。
豚もアメリカ産多いですか?コープでは国産標記になっていたように思うのですが・・・。
Posted by おだまさ(管理人) at 2005年12月17日 01:00
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