2013年05月26日

火星の景色

 前のエントリーで少し触れた、NASAの火星探査ローバー・キュリオシティのこと。

 とあるブログで、NASAが火星に探査機を送り、それが色々な高解像度の写真を撮影し、地球に伝送していることを知った。それまでの僕の火星探査の知識たるや、バイキング、だけで、2000年以降も複数の探査機が送られていて、今も遂行中のミッションがあるとは全く知らなかった。それで、興味を持って色々な写真を眺めてみた。

 特に、火星の色、というのは、その昔(1978年)「第三の選択」というドキュメンタリー?があって、人類火星移住計画だとか、火星の空の色は実は青い、とか・・・そういうことをやっていて、当時大いに興奮したというか、本当はそうだったのか、などと子供心に思ったものだ。このエントリーを書くために、googleで検索してみたら、今でも結構ヒットするので驚いた。

 その内容はともかく、キュリオシティにつながるのは、火星の色の話。バイキングが公式に報じた火星の色は、赤茶けた大地に薄茶の空・・・と思うが、先のブログの記事によれば、写真内の探査機ローバーの色がおかしくなっていて、それを本来の色に修正すると、火星の空の色も青くなった、(だからNASAは画像処理をしている)とか。

 それで、NASAのwebサイトで公開されているキュリオシティからの画像だ。実は結構、火星の空が青かったり、大地が赤茶一色ではなく、青っぽい色が多いものがある。下の写真は、公開されている"火星大地のパノラマ写真(Rocknest"という場所)(ブログに載せるために少し縮小しているが、NASAのサイトではもっと大きなサイズの画像がある)。

キュリオシティによる火星大地

 ぱっと見ると、地球の砂漠地帯のような印象。これが本当に火星?ということで、その高解像度な画像に目を奪われた。しかも、色が昔のイメージと違う。
 「これが本当の色なのか・・・、第三の選択の指摘もあながち間違ってなかったのか」
とさえ、思ってしまう。

 でも、この色使いの事情は、この写真を公開しているページにも説明がなされている。もっと丁寧に書いているのが、NASAジェット推進研究所のキュリオシティのサイト

 2013年3月18日付けで「火星の大地の"生画像"、"自然画像"、"ホワイトバランス画像"」という記事がある。同じ景色だが色調の異なる3枚の写真が掲載されていて、その説明がある。

 訳をまとめてみると、
キュリオシティのマストカメラ(Mastcam)で撮影された同じ画像の三つの版は、カメラで記録した色合いをを示す上で科学者が取りうる三つの方法を示している。左が生で、未処理の色合いであり、火星から直接受信したものである。中央は「自然」の色合いに校正したもので、我々自身が火星にいたらそのように見えるだろう。右側はいわゆるホワイトバランスを行ったもので、火星での光ではなく、地球でのような光に照らされたらそのように見えるだという推定となる。

 火星の光、というのは、火星の大気は非常に希薄ながら微細な粒子が高濃度で浮遊しているようで、それにより光が散乱され、地球でいう夕焼けのような状態となり、赤色系が主の光にシフトしているので、それで照らされたものも赤っぽく見えるということである。そして、ローバーの色がおかしい、ということも、照明が赤っぽい色なのだから、ということになる。

 ということで、上に貼付けた火星のパノラマ画像も、ホワイトバランスされたものである。結局、色というのは、場の光に左右される訳で、何が本当の色か、ということは難しい。

 長々と書いた色の話は、しかしこのエントリーでは前振りで、本当に書きたかったのはそれではない。

 この火星の景色が、ホワイトバランスされた写真では余計に、身近な風景としか感じられない、のである。地球から遥か離れた別の惑星の風景の写真が、だ。この奇妙な違和感が火星探査の写真に魅せられたゆえん。他に、ローバーの影が地面に落ちているような写真があるが、これもまた、ひどく身近な様子で、火星世界をとても親近感を持って感じてしまう。そういう意味で、何度見ても不思議な写真と思うのである。

 というところで、後、余談なのだが、上でNASAのサイトにある写真を転載しているが、NASAの「webサイト画像使用のガイドライン」が、実は素晴らしいのである(ページの場所は分かりにくいが)。この「NASA画像の使用とNASAwebサイトへのリンク」によると、

 NASAの静止画、音声記録、動画、あらゆる様式のテクスチャーマップやポリゴンデータといった3次元モデルの描画に使われるコンピュータファイルは、一般には著作権を主張しない。画像収集、教科書、公共への公開、コンピューター画像シミュレーション、インターネットのwebページなどの教育上あるいは情報上の用途に、NASA画像、動画、音声、3次元モデルの描画に使うデータファイルを使うことができる。この一般的許諾は個人のwebサイトにも適用される。

 この一般的許諾は、NASAバッジロゴ(青い「ミートボール」章)、旧NASAロゴ(赤い「虫」ロゴ)、NASA紋章の使用には適用されない。これらの画像は、NASA職員以外は使用できない、また、NASAが支援していない製品(webページを含む)に使用することもできない。

 広告の場合を除き、素材の出典がNASAであると知らしめなければならない。NASA広告ガイドラインを参照。

 NASAの素材を、特に広告のような商業目的で使用するには、明示的にも暗示的にも、商業製品やサービスへNASAが支持していると伝えてはならない。NASAの画像が識別できる個人を含む場合、商業目的でその画像を使用することは、プライバシーやパブリシティーを侵害する恐れがあり、その個人からの許諾を得るべきである。NASAの画像やエンブレムの利用に関する問い合わせは、NASA本部写真事業部まで連絡されたい。


 ということで、画像の非商用利用については、著作権を主張しない(出典明示のみ)である。その心意気が嬉しい。

 同じページの和訳が、実はJAXAのwebサイト内にもある。

posted by おだまさ at 01:19| Comment(0) | TrackBack(0) | 気になるコト理系 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:

認証コード: [必須入力]


※画像の中の文字を半角で入力してください。
この記事へのトラックバックURL
http://blog.seesaa.jp/tb/363630238

この記事へのトラックバック
×

この広告は1年以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。